激烈のZUMBA

朝早く起きて、仕事をして、夜早く寝る。そんなシンプルなことすらこなせない毎日。
もともと夜型人間ではあるけれど、フィリピンにいた頃はもう少しまともに生活していた気がする。
健やかな日々を過ごすため、今の自分に何が足りないのか…答えは至極簡単だ。そう、運動である。

フィリピンにいた頃は、コンドミニアム(マンションのようなもの)内のジムに通ったり、気が向けばトレーニングできる環境にあった。
また、定期的に“ズンバ会”に参加することもできた。

ズンバ、おぉズンバ。懐かしい響き。
ズンバとの出会いは1年と少し前(2019年)、引っ越し前のフィリピン旅行のときに遡ります。

この旅行の目的は、フィリピンを下見して現地の空気に慣れること。住む家を探したり、スーパーや飲食店巡りをして、マニラの街の雰囲気を確かめました。
さらに、フィリピン人とのコミュニケーションに慣れるため、2週間ほどセブの語学学校にも通いました。

学校では授業以外にアクティビティも充実していて、生徒は任意で参加することができます。休日は観光ツアーやボランティア。毎日夕方から、映画鑑賞会やヨガが行われていたり。
せっかくだから何か参加しようと思い、掲示板に貼られたアクティビティ一覧を眺めていたところ、「ZUMBA」という文字が目に留まりました。

ズンバとは、コロンビアのダンサーが創作したフィットネスプログラムの名称で、日本でも人気なようです。
ただ、当時はそんなことは露知らず。
濁点が入った力強い響きは、なんだかカッコイイ感じに聞こえて、どんな踊りか確かめてみたい衝動に駆られました。
しかし、あいにく自分は授業が…。ズンバへの未練を残したまま、日本に帰国したのです。

その後、2019年10月末にフィリピンへ引っ越し。
ズンバの存在はしばらく忘れていましたが、ある日コンドミニアムの入口に「ZUMBA」と書かれた貼り紙を発見しました。
わたしが暮らすコンドミニアムではよく無料のアクティビティが催されていて、ズンバを踊る会も行われていたのです。

ついに自分もズンバれる…!
迷うことなく、参加を決意。

ズンバは世界各国の音楽(主にラテン音楽)に合わせてステップを踏む踊りなので、当日はステップのレクチャーから始まるのかなと思っていました。

しかし、フィリピン人の先生は登場するなり
「さぁ! 準備運動がてら踊るわよ!」
と音楽を鳴らし始めました。
BGMはマライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」。ゴリゴリのポップス。何の説明もなく踊らされます。

準備運動(?)後は間髪入れずに次の曲へ。
もちろん説明は一切なく、見よう見まねで踊ります。
ただ、動きが早くて全然真似できません。

「さぁ、もっと笑って!」「もっと元気に!」と、要求だけは増えていく。
1曲終わると15秒ほど休憩して次の曲…というペースなので、先生に教えを乞う暇もありません。

Don’t think, feel.の精神。
踊り、踊り、踊る。

踊り続けて1時間、先生は「今日はありがと~!」と満面の笑顔で、嵐のように去っていきました。

そして、翌週もズンバ会に参加。
さすがに前回よりは踊れるだろう……そんな目論見はあっけなく外れます。

曲も振り付けも、前回とはまったく違うものでした。
もちろん説明は一切なく、見よう見まねで踊ります。
ただ、動きが早くて全然真似できません。

「さぁ、もっと笑って!」「もっと元気に!」と、要求は積み重なっていくのですが、突然は先生が「2人組になって踊るわよ!」と言い出しました。
周りの参加者は各々、近くの人とペアになります。

わたしも近くの人とペアを組もうとしたところ、
「あなたは私と組むのよ! さぁ、ステージに上がって!」と、先生による強制招集。拒否権はありません。

振り付けはさっぱりわからず、先生に導かれるがまま踊らされます。
必死な日本人を尻目に先生のテンションはMAXになり、突如「Hooooo~↑↑↑↑↑」と叫び出しました。
先生のアゲアゲっぷりに反して、我が感情は無の境地へ。
あの日あの時あの瞬間、コンドミニアムのステージは世界で一番温度差が激しい場所だったと思います。
なんとか1曲乗り切って、わたしは解放されました。

その後は、先生に触発されてハイテンションになった参加者が勝手にステージに上がるなど前回以上の盛り上がりを見せ、狂喜乱舞の1時間は終了。
ラストは参加者全員で輪になり集合写真撮影をしました。

そんな狐につままれたような経験をしましたが、体を動かすのはやはり楽しいもの。フィリピンに戻ったときには、またズンバに挑戦したいです。

なお、覚えた振り付けを夫(音楽が流れると踊り出すラテン精神の日本人)の前で踊ってみせたところ、なぜか大爆笑。
どうやら自分にズンバの才能はなかったようです。

今日の一枚は、フィリピンでお仕事中の方々を撮った写真。ズンバの写真はありません(踊るので精一杯だから)。

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