書を捨てず、町へ出ない。【読書記録】

ずーっと巣籠をしていると、日記に書き記すような出来事が起こらない。

毎日、カフェオレを飲んで、本を読み、仕事をし、無料アプリで漫画を見て、お菓子を食べ、携帯電話でパズルゲームをし、少しだけ英語を勉強して、眠る。
ときたま写真に関するレクチャー動画を見たり、散歩に出かけることもあるけれど、ルーティーンは基本的に同じ。家族以外と話すこともなく、いたずらに日々が過ぎていく。

取り立てて本が好きというわけではないけれど、このような毎日の中で、読書をする時間は増えた。

書を捨てず、町へ出ない。

フィリピンで暮らし始めてから電子書籍を利用するようになったこともあり、気になった本があれば気軽に読むことができる。
小説はどうしても紙の本でないと読む気になれないのだけど、今の時代は家にいながら本を買うこともできる(配達員の方に大感謝)。

ということで、今回は4月の読書記録を紹介。
学生時代から読書メーターというサイトで読了した本や感想を記録しているので、今回もそれを基にして書いています。


ビジュアル図解 聖書と名画 [世界史徹底マスター]『聖書と名画』 著者:中村明子
絵画のルーツは宗教画にあるため、西洋絵画史と宗教は切り離すことができない。この本はその名の通り、聖書を題材にした名画を解説する一冊。ちょうど西洋絵画と宗教に興味があったので手に取った(2018年には西洋絵画、2020年の初めには宗教学の本をよく読んでいた)。絵と連動する聖書の内容解説がとてもわかりやすい上に、構図などの解説もついていたので、絵画の知識も学べる。以前、聖書について描かれた漫画を読んだときは端折られすぎていてイマイチ理解できなかったのだけど、この本のおかげで聖書のポイントを理解できた。

不思議の扉 午後の教室 (角川文庫)『不思議の扉 午後の教室』
湊かなえ、古橋秀之、森見登美彦、有川浩、小松左京、平山夢明、ジョー・ヒル、芥川龍之介の短編小説を収めたアンソロジーで、テーマはみな「学園モノ」。森見登美彦さん『夜は短し歩けよ乙女』のサイドストーリーが目当てで読んだものの、よい出会いがたくさんあった。「インコ先生」(湊かなえ)、「三時間目のまどか」(古橋秀之)、「お召し」(小松左京)、「ポップ・アート」(ジョー・ヒル)が特にお気に入り。「お召し」はとても60年代の話とは思えず、作者について興味が湧いたので調べてみた。すると、昔ドラマ『世にも奇妙な物語』で見たセンセーショナルな物語「影が重なる時」の原作者であることが発覚。こちらも読んでみようと思う。

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』著者:門田隆将
映画化もされた話題作ということで、父の読み終わった本をもらいうけた。著者が入念に取材を重ねたことがわかる一冊で、記録のように淡々と書かれているため当時の現場の空気感が伝わってくるよう。当時の総理大臣など、政治家に取材している点も興味深い。

プロ直伝! 職業作曲家への道 曲作りを仕事にするための常識と戦術、そして心得『プロ直伝! 職業作曲家への道 曲作りを仕事にするための常識と戦術、そして心得』著者:山口哲一
作曲家になるつもりはないけれど、”仕事の裏側”を書いた類の本が好きなので読んでみた。現役で活躍する方の言葉がインタビュー形式で書かれていて、読みやすくておもしろい。特にアニソンや劇伴の話は興味深かった。作曲家になるつもりがない人間としてはとても楽しい本だったけど、実際に作曲家を目指している人にとっては夢がない内容なのかもしれない。

生業としての小説家戦略 専業作家として一生食っていくための「稼げる」マニュアル54 (スマートブックス)『生業としての小説家戦略 専業作家として一生食っていくための「稼げる」マニュアル54』著者:わかつき ひかる
小説家という仕事の裏側が知りたくて読んだ一冊。トラブル回避の話とは知らずに読み始めたが、自分の経験と重なる部分がちらほらあり、トラブルに遭ったときの対処法や著作権について、契約書の話など、勉強になることが多かった…。ただ、ひどい目にあったから仕方ないとはいえ、加害編集者を表現する際に言葉の負の念が強すぎて引いてしまったりもした。今後、得た知識を活かす機会が来ないことを祈る。

写真力アップのための新トレーニング-いま私が写真教室で教えていること-『写真力アップのための新トレーニング-いま私が写真教室で教えていること-』著者:岡嶋和幸
この本を紹介するということは、写真力を上げたいという気持ちがバレてしまうことなので少し恥ずかしい。でも、最近伸び悩んでいるし、改めて基本を学ぶ意味でも読んでおきたいと思った。内容の大半はこれまで習得したことのおさらいだったけれど、後半は”写真で表現すること”にフィーチャーしていて、写真教室ではなかなか学べない内容もありタメになった。


カメラとレンズのしくみがわかる光学入門『カメラとレンズのしくみがわかる光学入門』著者:安藤幸司
写真を撮るからにはカメラの構造を知っておかなければ…と思ったものの、ド文系の自分にとってこういった類の本は難解なものばかり。手元にある本も、時間をかけて読んだわりには理解しきれていない感じ。そこで、イラストに惹かれてこの本を電子書籍で読んでみたが、結果は惨敗。序盤から心が折れそうになった(むしろ中盤以降のほうが読みやすかった)。カメラの構造の勉強はラクしようとせず、手持ちの本を何度も読んで少しずつ理解していこうと思う。

以上、合計7冊。一ヶ月で7冊というのはそれほど多くないのかもしれないけれど、自分にしてはかなりの読書量になる。
インプットを増やすという意味でも、しばらくはこのペースで読み続けていきたい。

今日の写真は、フィリピンで撮った猫です。野良猫が図々しくふてぶてしく昼寝している姿は、フィリピンではよく見る風景です。
わたしも家ではこんな感じでぐーたらしているので、シンパシーを感じる。

Follow me!