ジプニーに乗ってどこまでも
以前、「フィリピンに来て驚いたこと(原題:驚き桃の木フィリピンの木)」という記事で触れた「ジプニー」。
このフィリピンを代表する乗り物について、薄い知識と偏った個人の感想に基づいて紹介していきます。
ジプニーには停留所がなく、原則好きなところで乗車/降車ができます。車体には行き先が書いてあり、各車ルートは決まっているようです。
日本のバスや電車は会社ごとにデザインが統一されていますが、ジプニーはどれも個性的というか奇抜。
乗客の気分次第で突然停車するジプニーは、渋滞の大きな原因といわれています。
ただ、20円ほどで乗れるお財布に優しい乗り物としてフィリピン人の生活に根付いているので、なかなか廃止できないようです。
ジプニーの運転手は高給取りらしいので、利用者だけでなく運転手サイドからの反対の声も大きいそう。
運賃は乗車距離によって異なりますが、なぜか運賃表がないらしく、運転手か地元の方に価格を聞く必要があるとのこと。
支払いの際、運転席から遠い位置に座っている人はお金をバケツリレーのように運転手まで届けてもらわなければいけません。その様子を目撃したことがありますが、乗客がみな無表情でお金を手渡していくさまは少しシュールでした。
混雑して人が乗り切れないときは、車体にしがみついている人もいます。下の写真、よく見るとクルマのうしろに乗客が立っているのがわかるはずです。見ているこちらが怖い。
突然停車するわ、クルマの外に乗客がいるわ、ジプニーの近くは運転したくないですよね。渋滞の原因になるのも納得です。
ジプニーの乗客の多くは現地の方で、外国人が乗車しているのはあまり見たことがありません。
というのも、スリや強盗が多発するため、駐在者にジプニーの利用は推奨されていないからです。
スリは怖い。でも、ジプニーの無骨な車体と、謎にカラフルで個性あふれるデザインは、わたしの好奇心をくすぐります。「乗ってみたい……!」
そんな想いがジプニーの神様に伝わったのか、2回ほどジプニーに乗る機会に恵まれました。あれは2019年6月、下見と語学勉強を兼ねてセブに滞在したときのことです。
1回目はセブ市内観光で。業者が手配した観光用ジプニーのため、きれいなクルマです。参加者がわたし1人しかいなかったので、貸し切り状態で乗車。正直、なんとも言えないルックスではありますが、広々とした車内で観光を楽しみました。
車内にはクーラーボックスやテレビもありましたが、もちろん使用できません。それがフィリピン。
2回目のジプニー乗車は、セブ島の小学校にボランティアに行ったとき。
こちらはエメラルドグリーンの古びたジプニー。撮影する時間がなかったのが悔やまれます。ボランティア参加者による貸し切りで、目的地まで1時間ほど乗車しました。
ジプニーには窓がなく、ドアも開けっ放し(またはもともとドアなし)なので、速度が速くなるとスリリング。舗装されていない道を走ったときも、少し怖かったです。
おまけに2回目のジプニーは、ただでさえ狭い車内+定員いっぱいの乗客+小学生に配布するお菓子やジュース=非常に窮屈な車内。
でも、現地の方の日常を肌で感じているような、そのリアルさが何だかたまらなくて、長い乗車時間も苦ではありませんでした。車体後方の板が剥がれ落ちたときには、ドキッとしたけれど。
いつかまた乗ってみたい。
今回のジプニー記事は、自分が見聞きした情報をもとに書きました。
きちんとした情報を知りたい方は、こちらを読むとよいと思います。
おまけ
わたしがセブで乗車した観光用ジプニーは、「TTJセブジャパン ツーリストセンター」という会社のもので、セブ市内の観光スポット4カ所を廻ります。
サンペドロ要塞跡、マゼランクロス、サントニーニョ教会、ヘリテージ・オブ・セブ モニュメント、最後はSMシティ(ショッピングモール)を通って出発地に戻ります。SMシティで途中下車することも可能で、所要時間は約1時間。
1日4便(10:30~/12:00~/13:30~/15:00~)運行で、価格は1人あたり2200ペソ。
セブシティ内は送迎無料で、マクタン島内でも片道1人500ペソで送迎してくれます。
予約はアプリやメールでもできるのですが、わたしは「日本語対応」の文言を信じて電話での予約を試みました。
ところが、そのときは日本人スタッフはおらず(そもそも勤務しているのか不明)、昔日本で出稼ぎをしていたという現地スタッフが対応。結局、つたない英語で必死になって予約しました。
※情報は2019年6月時点のものです。